なんで日本ワインなんですか?
去年の9月から日本ワイン中心の品揃えにしています。
上記のようにその理由をよく聞かれるのですが、単純な話、リクエストされるお客様が増えたからというのが大きいです。
次に、業界的な話として、ナチュラルワインが気軽に飲める若い方向けの楽しそうな店が増え、年配のうちらが同じアイテムを使っていても仕方がないなと思うようになってきたことがあります。ナチュラルワインの生産者は小規模なところが多く生産量も限られることもあり、人気の生産者のワインは割当になりやすい。そうなるとワインを飲み始めたり興味関心を持つ若い方々に楽しんでもらって、うちはうちでまた別のテーマやフィールドを見つけたほうがいいなと思うようになりました。
もう少しポイントを明確にするためにどこかの産地にフォーカスしたほうが良さそうと考えていたこともあり、お客様とのやり取りをしていく中で出てきたのが日本ワインの可能性はどこにあるのかという興味でした。
ワインを勉強し始めた頃、ワインはレストランやワインバーでうやうやしくソムリエにサービスしてもらって飲むものでした。あとは記念日とボージョレーの解禁日でしょうか?
それが色んなジャンルの店で、いろんな方が、いろんなスタイルでサービスするようになってきた。
日本人のひとりあたりのワインの消費量についてどなたが言い出したかわかりませんが「3リットルの壁」という表現をよく聞きました。なかなか越せなかったのが、いまでやっと3.2リットルくらい。
入口として楽しめるところが増えたなら、次は奥深さを楽しめる店ももっと必要です。
もともと日本ワインも少し置いていましたし、Festivinというナチュラルワインのイベント、LIFE with WINEという日本ワインのイベントに定期的に声をかけていただいたりで、生産者の顔やワインについてのイメージが浮かびやすく、パセミヤにも来てくださる方もおられ、わからないことがあれば直接聞けるという利点もあります。
世代的に近い生産者の方も多く、2000年代から2010年代はじめくらいのナチュラルワインのインパクトをしっかりと受け止め造る側になった方々に共感する点も多く、その取り組みを国内国外問わず広めていかないとと思うようになりました。
ナチュラルワインがいろいろと楽しめる店は増えましたが、日本ワインを並べて色々と楽しめる店はまだまだ少ないです。
ワイナリーの数も500を越し、これからも増えることを考えると、日本ワインのなかでもうちが興味を持つワイナリーを見取り図的に楽しめるようにしていってもいいかなと思っています。
ワインは典型的な膨大な差異の体系でもあるので、単体で飲むのもいいですが、並べて飲むとまた違ったイメージを結ぶようになります。
日本ワイン、海外で活躍する日本人が造るワインの他に、品揃えとしてはいびつになりますが、ヨシヲが個人的に興味を持つ海外の生産者のワインを少し加えた感じの品揃えで、いろいろとこれからのワインの可能性を探っていこうかと考えています。
写真は昨年の12月のLIFE with WINEの関係者のみの写真。このイベントのお陰で日本ワインについて考えるようになりました。
知識を伝える、教わるのも難しいですが、楽しさを分かち合うのは難しいと常々思っているのですがみんな楽しそう。