Meets Regional

本日(8/1)発売の雑誌Meets Regional2022年9月号「アジアな酒場」p.62に載ってます。
ライターのシュガール、いつもおおきにです! 

 


注)現在パセミヤ休業中です。8/10(水)頃より営業再開予定です。ご予約は8/8(月)頃よりお電話にて受付再開予定です。


がっつりとスパイスセットの取材で、記事には写真だけでワインの情報が書いていないので写真のワインについて書いておくと。
bulbulの鈴木純子さんが輸入している、ドゥ・ヴァン・オー・リアン… 「絆のワイン」という名のネゴシアンブランドのトリビュート・トゥ・フリーダ 2020で、アルザスのシルヴァネール100%の醸しです。これは造り手のヴァネッサ自らが醸造したもの。
スパイスとワインの相性についてもこの3年いろいろと試してきました。アルザスやジュラ、オーストリア系品種は基本どれも相性がいいのですが、こちらのワインはアロマティックなフレーバーと柑橘を思わせるほのかな苦味がトマトの旨味やコリアンダーやカルダモンの風味をいい感じに引き立たせてくれます。
個人的には系統的に古い品種のほうがスパイスと相性がいいように感じています。もちろん特定の料理、特定のワインと個別で考える必要はありますが。
書店で手にとっていただければ。もしくは関西以外の方だと電子書籍版もあります。


改って書くこともなかなかないだろうからちょうどいい機会だしこの辺でなぜスパイスなのか少し書いておこうかと。
この3年ほどあれこれ調べながら南インド料理をベースに作っています。Instagramのアップなどを見てあいつまた変なこと始めたなと思われてた方多いのでは。
2019年にイベントで横浜に行った時に当時はナチュラルワインの知り合いが横浜にほぼいなくて、少し足を伸ばして東京との境にある南インド料理店で食べてみたかった料理が定番アイテムであることを知り行ってみました。食べてみると自分でも作りたくなり帰ってきて試してみると結構近いものが出来てそうなると業務用サイズでスパイスを仕入れるのでひと通り揃えてしまうとあれもこれもと試しに作るようになり。どハマり。
フランス料理店、イタリア料理店で働いていましたが、もともと南インド料理のスパイス使いへの興味はあって教えていただいたりして何度か試しに作ってはしたものの焦点というか味わいのゴールがなんかしっくり来ずでもっぱら食べる専門になっていました。
料理本自体は買っていたのですが奥付で遡ると2005年くらいからチェックしていた模様。
中東からペルシアにかけての料理も同じくらい好きですし今はクレオールやメキシコなどを含むカリブの料理も調べています。大英帝国の食文化への影響のすごさを思い知りました。
作る側としての興味の発端は江原恵、エンテツさん経由で知った「料理物語」という1600年代に書かれた日本の料理書です。
料理は「手わざの文化で、想像力の問題でもある」と江原さんは書いていましたが、実際に手を動かしてみると、料理物語の料理も、南インドの料理も、レバントの料理も構造がシンプルな分驚くほど発想が似ています。
そして近代に入ると海を超え地域をまたがって相互に影響を与えあい、混淆しています。どこの国の料理かわからなくなるくらいに。
トマトや唐辛子がない料理を想像するのが難しいのはインドやイタリアだけではないですし、原産地を調べるとヒトの移動、交易、伝播がわかって、こうやっていのちを紡いできたんだなと歴史のダイナミズムに感動を覚えます。必ずしも平和で公平な手段だけではないことから目を背けてはいけませんが。
今までもそうなんですが、個人的に何がしたいのかというと、料理の構造というか元型を知りたいと思っています。もっというと系統分類的なものが出来るのではと思っています。
今福龍太さんが昔に書いた「世界料理宣言 世界料理の可能性」という文章があって主食の舌とグルメの舌とか他にも示唆的な箇所が多いのですが、そこに料理が国籍に帰属する必要は本来なく、国で食文化を分類しようとするのはフィクションだと書かれていたのを読んでからずっとひっかかっています。
この辺りはアパデュライのインドの料理本における国民料理の形成の話とも繋がってくるのがまた興味深く。
表現型は異なるにしても自然を分節し加工し折り畳んで組み合わせ飲食可能なカタチに変形する操作(料理
)のバリエーションを比較するといくつかの基本構造が見て取れそれは地域性はあっても相互に置換可能だったり変形可能で、そういう視点はフードシステム、フードレジームにみるように世界がどんどん繋がって混じり合い複雑化していく中でこれからの食を考える助けになるのではと思っています。
ってなことを考えたりもしていますが、まずは「美味しい」と「楽しい」を感じてもらえればいいなと思っています。
もう一つの軸は、ワインやスパイス、ハーブなども含めたフレーバーとういうか匂いの感じ方にとどまらないヒトの風味知覚に関するものなんですがこれについてはまた何かの機会に。
#meetsregional #アジアな酒場 #パセミヤ雑誌掲載
#パセミヤ #ナチュラルワイン #お好み焼き #スパイス料理 #ワンダフルソース
#要予約 #御酒Vin帖 #pasania #goodeatclub #starwinelist #naturalwine #lowinterventionwine #minimalinterventionwine #cuisinenature #universalcuisine #multiculturalcuisine #okonomiyaki #spice #foodstudies #extraterritorialrestaurant #flavor #cometastetheflavors #osaka
#essenceofasia #asia50best #reservationsrequired