料理物語

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料理物語ワインについて考える時に僕の場合読み返すのが麻井宇介さんなら料理についてだと江原恵さんでしょうか。とりわけ写真の料理物語についての本は文体は抑制が効いていますが示唆に富むのと「辰巳浜子 家庭料理を究める」と合わせて江原さんのそれまでの集大成のように感じています。この前に、「江戸料理史・考 日本料理【草創期】」があり細部についてはそちらの方が江戸初期の献立の例も豊富でとりわけ伊達政宗公の質実剛健な料理の献立は他の大名の献立と比べても意志が感ぜられて興味深いです。料理物語は中世から近世へと時代が移る中で受け継がれてきた味覚と料理に自覚的に向かい合う点で画期的な書物で、ある意味、物流や生産、消費の形式は変われども寛永20年に成立した料理物語と今の私たちの食はどこかで通底しています。醤油が出てこず煎り酒主流の味覚だったり、刺身も膾だったり、鰹節もまだ広まってないですし、すましが味噌すましだったり、味わいの組み立てが複合型から単一型へと移るタイミングだったという断絶ももちろんありますがやはり連続もある。「右料理之一巻は包丁きりかたの式法によらず。唯人々作次第の物なれば」と言い切る点で有職故実など他所に自身の存立基盤を求めない精神は料理物語の中のいろんなところに見受けられ読むたびに新しさを感じたりもします。

料理物語ワインについて考える時に僕の場合読み返すのが麻井宇介さんなら料理についてだと江原恵さんでしょうか。とりわけ写真の料理物語についての本は文体は抑制が効いていますが示唆に富むのと「辰巳浜子 家庭料理を究める」と合わせて江原さんのそれまでの集大成のように感じています。この前に、「江戸料理史・考 日本料理【草創期】」があり細部についてはそちらの方が江戸初期の献立の例も豊富でとりわけ伊達政宗公の質実剛健な料理の献立は他の大名の献立と比べても意志が感ぜられて興味深いです。料理物語は中世から近世へと時代が移る中で受け継がれてきた味覚と料理に自覚的に向かい合う点で画期的な書物で、ある意味、物流や生産、消費の形式は変われども寛永20年に成立した料理物語と今の私たちの食はどこかで通底しています。醤油が出てこず煎り酒主流の味覚だったり、刺身も膾だったり、鰹節もまだ広まってないですし、すましが味噌すましだったり、味わいの組み立てが複合型から単一型へと移るタイミングだったという断絶ももちろんありますがやはり連続もある。「右料理之一巻は包丁きりかたの式法によらず。唯人々作次第の物なれば」と言い切る点で有職故実など他所に自身の存立基盤を求めない精神は料理物語の中のいろんなところに見受けられ読むたびに新しさを感じたりもします。 - from Instagram