
noteに、葡萄のかたわらで 第11回を公開しました。
カウンターで甲州を注ぐとき、「日本固有の品種でして」と言いかけて、この一年ほど、口ごもるようになりました。
「固有」が出てこない。起源で語を閉じることに、どこかで引っかかっている。
今回はその引っかかりを手がかりに、テロワールという語の語られかたそのものを辿りました。中世ブルゴーニュの修道士の話、二十世紀の地理学者ロジェ・ディオンの非対称な視線、そして現代の五人の研究者が、テロワールをそれぞれどう引き受けているか。
書き終えても答えは出ませんでした。ただ、「固有」を手放したあとにも、千年の付き合いの厚みは、グラスのなかに残っています。その厚みを何と呼ぶか ── まだ途中です。