noteに、『操作と調節 ── ワイン造りにおいて「ナチュラル」とはどういうことか|葡萄のかたわらで 第12回』 をアップしました。

ナチュラルワインとコンヴェンショナルワインを、「自然 対 技術」の対立として語ることに、どこか落ち着かなさを感じていました。土着酵母に委ねて待つことも、培養酵母を選び温度を管理することも、どちらも生物学の知識に支えられた技術です。違うのは自然か人工かではなく、技術が系とどう関わるか ── 外から制御するか、なかに入って沿うか。そのあたりを、今回は「操作」と「調節」という二つの様態として辿りなおしました。

道案内をしてくれたのは、「自然派ワインの父」と呼ばれるジュール・ショヴェ(1907–1989)です。亜硫酸を毒だと言いながら条件次第では認め、あるワインについて「これはスミレだ」とは言わず「スミレを思い出させる」と言うことにこだわった人。文献で見てると、生涯「まだ分からない」を繰り返し、研究すればするほど自分が遠くにいると知ることを、面白がっていた人でした。

そして、カウンターで一杯について「これはナチュラルなアプローチで」と話すとき、私自身もまた、生きたワインを規則の言葉に翻訳している ── そんな自己点検も書きました。高みから解説するのではなく、同じ根から分かれた一本として、自分もその語のなかにいる、という形で。

「ともに」という言葉を、もう少し丁寧に手に取りたいと考えています。その先は次回へ。

よろしければ、グラスをかたむけながらお読みください。

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